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OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める 5-2

どうも‼

 

今回の書籍は

 OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める

です。

 

第1章 オープネスの発見

こちらをまとめていきます。

 

先に言っておきますが、こちらの書籍は、豊富なデータを駆使してそれをもとに、結論づけています。

なので、書籍では、グラフや表などの記載が多いですが、そこを記載してしまうと、書籍のコピーなってしまいますので、極力、数値を記載せずにまとめていきますので、ご了承ください。(そもそも、データを書いていたら、ほぼ全文書くことになります;^_^A 笑)

 

今、私たちの生きている時代の面白さというのは、これまで見えなかった

「職場の空気」がデータで見えることです。

 

さらには、最も重要な隠れた真実を含む「職場の空気」も今では少しずつ見えるようになってきました‼

実際、この隠れた真実は、プロの目から見ても、極めて貴重なデータソースになりつつあります。

では、実際、どんなことがわかるのでしょうか?

そして、職場の空気は業績にどれほどのインパクトがあるのだろうか?

それを順番に解き明かしていきます<(_ _)>

 

職場の空気は、企業の業績を決める‼

この事実を確認するために、2つの論文を紹介しています。

1つはアメリカの「Glassdoor」というサービスについて書かれた論文

もう1つは、日本証券アナリスト協会の論文

「従業員口コミを用いた企業の組織文化と業績パフォーマンスとの関係」

こちらです。

 

まず「Glassdoor」では

従業員満足度とROAには正の相関があるということ

(※総資産利益率:すべての資本をいかに効率的に運用できるか)

従業員満足度が高い企業は、将来的に業界平均を上回るパフォーマンスが出やすいということ

こちらの2点が明らかになってます。

簡単に言うと、従業員がハッピーに働いていると、他の競合よりも業績や株価が上がる傾向にあるということです。

つまり「職場環境のデータは、未来の業績予測に影響を与える」のです。

そして、日本アナリスト協会の論文では

・組織文化の急激な悪化は、将来の財務的リスク悪化(負債比率)に強い有意差があること

・組織文化の悪化は、売上変化率の悪化に、強い有意差があること

このことから

「職場の空気は、将来の財務指標に強い影響を与える」

「職場の空気に応じて投資した結果、ファンドのリターンが平均値より高かった」

ということが言えます。

さらには「株価予測」に関する分析から見ても「職場の空気」は業績に強い影響があることがわかります。

なぜ、職場の空気は業績に影響があるのか?

そこには、構造的な理由がありました‼

 

まず「従業員は何にコミット(約束)しているか?」を考えます。

 本来、人がどこかの企業で働くとき、企業は従業員にいくつかのコミットメントを求めます。

1. 事業・・・どんなビジネスをするか

2. 場所・・・どこで働くか

3. 組織・・・どんなチームで働くか

その意味で、士気が上がれば事業もよくなりやすいというのは当然な結論でもあります。

ですが、問題は「従業員のコミットメント量の増減」にあります。

 以前は従業員が「事業」「場所」にコミットメントしていました。

しかし、今の時代は、事業の変化が激しくなり「組織」へのコミットメントが相対的に重要になっています。

なので、経営者は「組織」へのコミットメントを以前より強化しないと事業の方向転換に対応しずらいのです。

また、多くの企業が時価総額を連続的に伸ばすために事業を拡大・買収・展開させていく必要が出てきました。

その際「組織」へのコミットメントが強い企業は、事業が方向転換しやすいので相対的に強くなりました。

要するに、構造的な理由として

「社員の士気が高い会社は変化に強い」

ということです。

 

ただし、ここで補足で記載しておくと、この本のスタンスは『組織<<<事業』なので、大事なのはあくまで「事業」です‼

あれっ⁉と思われるかもしれませんが、著者が、従業員が大事で人事戦略も大事だということは同意したうえで、それ以上に重要なのが「事業」であり「社会的に意味のあるサービスや製品の存在」なのです。

それがないと企業が成り立たない。

それでも、職場環境のデータが重要であると述べる理由は「相対的な重要性が変わってきたから」なのです。

 

話を戻します。

 

「職場の満足度」が経営課題になることを確かめるためにはもう1つ、あきらかにすることがあります。

それは「改善できる余地」が、どこにあるのか?です。

 

現実的に、経営資源は限られています。

だとしたら、どこに改善の余地があり、優先順位はどうつけるべきなのか?

それを明らかにしない限り、実践にはいかせません。

そのキーワードは「期待値とのギャップ」です‼

 

言わずもがなですが、人は職場に対して、何かしらの「期待値」を持っていることが多い。

そして、この期待値に対して、現実が下回れば不満になり上回れば満足に変わります。

そして、すべての組織的問題は、現実がこの期待値を下回ることで勃発します!

 

なぜ、大量退職するのか。

なぜ、従業員が思った以上にパフォーマンスを出してくれないのか。

それは

従業員が求める期待値に達していない環境要因があるからです。

ただ、やっかいな部分が人によって求める期待値は項目によってかなりバラツキがあるということです。

さらには、企業によっても「求められている項目」には、バラツキがあります。

【著書の職場環境データ 主要5項目】

・風通しのよさ・待遇面の満足度・法令順守意識 

・人材の長期育成・社員の士気

 

では、どうすれば良いのか?

① 期待値を適切な値に調整すること

② 実態を改善すること

論理的に考えると、この2つの方向性があります。

これを踏まえ、いくつかのデータ分析 ⇒ ※実際のデータは書籍でご覧下さいm(__)m

があり、そのデータを読み取ると

・「法令遵守意識」は、高い満足度を担保できている唯一の項目

・「風通しのよさ」と「社員の士気」は改善できそう

・「人材の長期育成」と「待遇面の満足度」は、不満に思っている人が極めて多い

ということが読み取れます。

 

なかでも、一番著者を驚愕させた結果が

「人材の長期育成」で満足度が高い会社は、この国にはほぼ存在していない‼

ということです。

「うちの会社は、人を長期的に育てる力がない」とか「会社はもっと人の長期育成に力を入れるべき!」という意見を、聞いたり言ったりしたことがあるかもしれませんが、そもそも、そんな会社は、ほぼ存在していないというのが事実です(;・∀・)

なぜ、このような現象が起きているのかというと「従業員の期待値が高すぎる」からです。

理由としては

① 他の企業との比較が難しいこと

② 育成とは「与えてもらうもの」と思っている人が多いこと

この2点が考えられます。

 

①に関していうと、待遇面も同じ傾向ですが「年収○○万円」と他社と比較してあきらかに高いときは、客観的にわかりやすいのに対し人材の長期育成は、会社が一生懸命投資しても他社と比較することが難しく、それゆえに「満足する基準がない」と思われます。

②に関していうと、多くの人々が「上司や会社が与えてくれるもの」と過度に期待しています。

会社と学校はあきらかにルールが違う‼

「学校」はお金を払い、教えてもらう場所に対し「会社」はお金をもらっています。

会社は成長する機会は提供できても、社員を育てるための学校ではないのです‼

つまり

会社は人の成長を”ある程度”は約束できるかも しれないが、そもそも本質的には、長期的な成長は「自分で築くもの」なのです。

このことから「人材育成」に関しては

高すぎる期待値を調節 ⇒ 実態を改善していく

という形で施策を講じていくべきということがいえます‼

 

最後に結論です‼

職場の満足度を高めようと考えたとき

「改善できる余地」があるのは

「風通しのよさ」「社員の士気」の2つでこの2項目に手を付けることで

最も高い投資対効果を得られるということです!

 

以上が第1章になります。

 

次は

第2章 オープネスとは何か

です。

 

この「風通しの良さ」≒「オープネス」というコンセプトについて詳しく見ていきます。

 

ではまた(@^^)/~~~

 

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