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酒好き医師が教える 最高の飲み方 8-7

どうも‼カニコロです(^▽^)

 

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酒好き医師が教える 最高の飲み方

第6章 飲んでよかった!酒の健康パワー

こちらをまとめていきます。

 

本格焼酎のパワーで「血栓」を撃退!?

高血圧、脂質異常症といった生活習慣病は、日々、酒を飲む人間にとって、非常に気になるもの。

アルコールは、中性脂肪を増加させるとされ、高血圧との関連も指摘されています。

 

加齢につれ、血管も老化するのと同時に、血液にも変化がみられるようになります。

いわゆる『血液ドロドロ』と呼ばれる状態で、この原因には、脂質や糖質に偏った食生活、定期的な運動の不足、ストレス過多などが挙げられます。

 

血液ドロドロの状態はやがて、血管の内皮細胞を傷つけ、そこに血の塊を作ります。

これが血栓と呼ばれるものです。

血栓は知らず知らずのうちに血管内で、大きく育ち、血液の流れをだんだんと滞らせて、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞といった死に至るような重篤な疾患を引き起こします。

 

しかも、この血栓、動脈や静脈、さらには肺、心臓、脳内と我々が全く予知できない器官に、いうなれば「所構わずできてしまう」のだから厄介なのです。

 

じつは、この血栓』を溶解する働きが酒にはあるといいます。

 

 血栓』は血液中の血小板が凝集してできたものですが、そこに『フィブリン』と呼ばれる繊維状のタンパク質を引き寄せるために、強固な血液の塊になっていきます。

正常な体(血管と血液)であれば、血栓の溶解に関わる酵素『t-PA(細胞プラスミノーゲン活性化因子)』や『ウロキナーゼ』といった物質が血管内皮細胞から分泌されて、血漿中に含まれる『プラスミノーゲン』という酵素に働きかけて、活性型の『プラスミン』というタンパク質分解酵素を作りだします。

これが血栓を大きくしていく『フィブリン』を分解し、血栓を溶解していきます。

 

じつは、焼酎と泡盛t-PAやウロキナーゼの分泌、活性を促す効果があることが実験でわかりました。

ちなみに、ここでいうところの焼酎とは「甲類(ホワイトリカー)」や「甲乙混和焼酎」ではなく、「乙類」といわれる、単式蒸留器で蒸留した昔ながらの本格焼酎を指します。

なかでも、おすすめは芋焼酎、そして泡盛です。

 

ただ、芋焼酎泡盛に含まれるどの成分が、2つの物質の活性を促すのかは、現在は、まだ特定されていません。

 

2つの物質の活性を促すのに最適だとされる量は、純アルコールに換算して、1日に30mℓ程度であることがわかっています。

 

さらに、芋焼酎泡盛には「飲む」ことに加えて、香りを「嗅ぐ」ことでも先の『t-PA』を活性化させることが明らかになりました。

 

芋焼酎には、バラの香りの主成分の一つでもあるβ-フェニルエチルアルコールをはじめとして、リンゴの香りに似たカプロン酸エチルなど、数多くの香気成分が含まれています。

そのなかで、先のβ-フェニルエチルアルコールに、t-PAを有意に活性化させることがわかりました。

 

「飲んでよし、嗅いでよし」の本格焼酎

芋焼酎泡盛に限らず、そもそも本格焼酎にはHDL(善玉コレステロール)を増やす効果もあります。

 

HDLはコレステロールを血管壁で捉えて、肝臓へ運ぶ役割を担うことで、心筋梗塞動脈硬化のリスクを下げることが明らかになっています。

加えて、糖質もゼロ。

肥満を気にする人にとって、これほど、最適なアルコール飲料はないのではないでしょうか?

 

美味しさと個性で、再び見直されている本格焼酎泡盛

その大いなる健康効果にも注目したいです!!

 

赤ワインはなぜ健康にいいのか?

 今や当たり前のように、飲むお酒の選択肢に入っているワイン。

ワインは一昔前までの「特別な時に飲む高価なお酒」ではなく、普通に日々楽しめる存在になりました。

 

「赤ワインに含まれるポリフェノールがカラダにいい」という話を、一度は耳にしたことはあると思います。

 

赤ワインが注目されるようになったのは、豊富に含まれるポリフェノールによるものです。

確かに、ポリフェノールはお茶などの他の飲料や食品にも含まれていますが、赤ワインに含まれている量が圧倒的に多いのです。

緑茶と比べると、赤ワインには実に6倍ものポリフェノールが含まれています。

ビールや日本酒など、他の醸造酒にも含まれていますが、赤ワインの含有量は圧倒的です。

 

ポリフェノールは、植物が光合成によって生成する色素や苦みの成分で、活性酸素による酸化からカラダを守る抗酸化物質です。

植物が自らを守るために作り出した成分なので、基本的に植物ならポリフェノールを含んでいます。

赤ワインに含まれる代表的なものは、アントシアニン、リスベラトロール、タンニンなどが挙げられます。

 

ワインはポリフェノールの量が多いだけでなく、体に吸収されやすいという特徴があります。

野菜や果物にも含まれていますが、野菜と果物の組織内に含まれるポリフェノールは、水に溶けにくいため、人の腸で吸収されにくいです。

 

赤ワインは果皮、果汁、種子のすべてを加えて発酵させ、発酵を終えた後も特有の色や渋みを出すため、しばらくそのまま漬け込みます。

果皮と種子を除いて仕込む白ワインに比べ、赤ワインのポリフェノールが豊富なのは、こうした醸造法の違いが大きく影響しています。

 

ただ、白ワインでも樽貯蔵したタイプはポリフェノールの含有量が多いです。

理由は、樽に使われる木からポリフェノールがワインに移るからです。

 

では、赤ワインの健康効果についてみていきます。

赤ワインに含まれるポリフェノールの健康効果はいくつもありますが、虚血性心疾患、動脈硬化に対する効果でしょう。

 

赤ワインのポリフェノールによる、LDL(悪玉)コレステロールに対する抗酸化能力です。

 

LDLコレステロールはそのままでは悪さをせず、活性酸素によって酸化されることで、初めて動脈硬化の原因となります。

赤ワインのポリフェノールは、活性酸素を取り除く効果が高いのです。

赤ワインのポリフェノールのなかの、アントシアニン(赤ワインの色素の素)活性酸素を消去する効果が高いことが確認されました。

 

そして、赤ワインの種類や熟成年数による抗酸化作用の調査では、若い赤ワインよりも熟成を重ねた赤ワインのほうが、抗酸化作用が高くなる傾向が確認できました。

ピークは約5年で、その後は緩やかに効果が減っていきます。

ブドウの品種では、カベルネ・ソーヴィニヨンが最もポリフェノールを含み、抗酸化作用が高かったです。

 

抗酸化作用に加え、昨今、注目されているのが、果皮に含まれるリスベラトロールです。

こちらもポリフェノールの一種で、脳の機能を円滑にし、記憶力の回復や、アルツハイマー病を予防する効果があるといいます。

 

65歳以上の377名を対象に、飲酒量と死亡率、認知症アルツハイマー症のリスクを3年間にわたって調査したところ、驚くべき結果が出ました。

 

ワインを毎日3~4杯(375~500mℓ)を飲んでいるグループと、非飲酒グループでの発症リスクを比較したところ、認知症は5分の1、アルツハイマー症は4分の1、死亡率は約30%低下したことがわかりました。

 

これは、リスベラトロールが、外界刺激を伝達する酵素『MAPキナーゼ』を活性化するためと考えられています。

 

赤ワインには、リベラトロールが1ℓあたり10㎎程度含まれています。

日常的に飲む酒を赤ワインに返れば、こうした効果の恩恵に大いにあずかれそうです。

 

他にも、赤ワインには、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の殺菌作用もあることや血液の柔軟性が増し、毛細血管の血流が促進されることもわかっています。

 

とはいえ、大量に飲めば、健康どころか、アルコールの弊害のほうが大きくなってしまいます。

適量としては、純アルコールに換算して10~30g、つまり100~300mℓが適量と呼ばれる範囲で、ワイングラスにして2杯程度です。

女性の場合は、アルコールによるリスクを受けやすいので、100㎖程度が理想です。

 

赤ワインが苦手な人は、料理に使って、ポリフェノールを取るという手段もあります。

赤ワインのポリフェノールは過熱しても壊れにくく、約6割残るといわれています。

料理に使えば味に深みも出ますし、一石二鳥です。

 

ほどほどに飲んで、健康効果を体感できたら良いですね(⌒∇⌒)

 

日本酒は酔える化粧水!?アミノ酸が肌にいい!

かつて、高級化粧品のCMのキャッチコピーで謳われたことがあるが、日本酒造りに携わる杜氏や蔵人、蔵の女将の肌はきめ細かく、色白で美肌の人が多い。

 

このところ、以前にも増して、日本酒の成分を入れた美容商品をあちこちで見かけるようになりました。

日本酒は本当に肌に良いのか?

日本酒そのものを肌に塗って効果は出るのだろうか?

日本酒のどの成分が効果があるのか?

様々な疑問が頭に浮かびます。

 

日本酒には、グルタミン酸、アラニン、ロイシン、アルギニンといった多くのアミノ酸がバランスよく含まれています。

アミノ酸は、コラーゲンをはじめとした肌を構成するタンパク質の原料。

また、肌の角質層に含まれる天然保湿因子(NMF)の主成分もアミノ酸です。

アミノ酸『美肌の素』ともいえる、お肌には欠かせない物質です。

 

日本酒に含まれるアミノ酸は実に20種類を超えます。

保湿という観点から見ると、最も重要なのは『セリン』

これは、肌にもともと備わっている天然保湿因子の成分で、これが潤いのもととなります。

日本酒には、このセリンのほか、グリシン、アラニン、スレオニンアスパラギン酸といった、天然保湿因子を構成するアミノ酸が含まれています。

 

このことから、日本酒の美肌効果は本当といえます!

ただ、敏感肌の方やアルコールに弱い方には刺激が強すぎます。

肌に合わない場合は、アルコールを完全に飛ばしてから塗ると良いです。

ただし、保存料が入っていないので、冷蔵庫で保管し、1週間以内に使い切るようにしましょう。

 

日本酒でも、お肌に良いとされているのは、醸造アルコールを添加していない純米酒です。

純米酒とは、醸造アルコールを添加せず、水とお米と麹だけで作られている、ピュアなお酒を指します。

この純米酒のほうが、アミノ酸が豊富に含まれています。

 

値段が高く、お米をたくさん磨いて造った、高価な純米大吟醸酒のほうが良いと思われがちですが、お肌には断然、純米酒のほうがいいのです。

 

理由はとしては、日本酒は原材料となる米を磨くほど、雑味が少なく、フルーティーな味わいになります。純米大吟醸はその最たるお酒です。

じつは、この「雑味」に関係しているのがアミノ酸で、多すぎると「雑味」を感じやすく、ほどよいと「旨味」と感じます。

 

つまり、米をあまり磨かないで造ったアミノ酸豊富な純米酒のほうが、美肌効果が高いということになるのです。

 

また、日本酒のアルコール成分には、血行を促進する効果があり、それによって保湿、発汗効果が促されます。

また、アミノ酸の保湿効果によって、肌がしっとりとする効果も期待できます。

さらには、日本酒特有の香りが、リラックス効果をもたらしてくれます。

 

お風呂に入れる日本酒(飲料用)の量は、一般の家庭の浴槽なら1~2合が適量です。

ただし、お湯はその日のうちに流すこと。

なぜなら、アルコールの発汗作用により、毛穴に詰まった汚れが浮き出るため、一度でお湯が汚れてしまうからです。

 

飲料用の日本酒でもデトックス効果は期待できそうですが、酒風呂専用の日本酒もあるので、興味のある方は使ってみて下さい。

 

この、日本酒美容法は、酒席で女性にいかにも受けそうな話なので、覚えておいて損はないと思います(^▽^)

 

以上が第6章のまとめとなります。

毎回くどいようですけれども、項目ごとに分けていますが、全部の項目を記載しているわけではないので、他の項目も読みたい方は、ぜひ、ご購入ください<(_ _)>

 

次回は

第7章 絶対NG!危険な飲み方

です。

 

では、また(@^^)/~~~

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