どうも‼カニコロです(^▽^)
今回の書籍は
転職の思考法
です。
第3章 あなたがいなくなっても、確実に会社は回る 残される社員、ついてくるパートナーとどう向き合うか
こちらをまとめていきます。
※物語になっているので、一部、物語形式でまとめていきます。
僕は黒岩に、今の転職活動の状況を説明した。
そのうえで、新たに生まれた悩みを相談した。
それは
「やはり、この会社に残るべきではないか」
という思いだった。
「じつは今、迷っているんです。
今の会社に残るという選択肢もある気がしてきて…
今、会社は少しずつ変わってきています。
そうなると、今のまま、この会社に居続けるのも、有力な選択肢である気がしてきたんです。
黒岩さんは、どう思いますか?」
「結論から言うとノーだ!
転職を希望する人間と話していると、転職直前になって悩むケースは多い。
特に、社内の人間に相談したら、自分の行きたいポジションを提示されたり、引き留められたりすることはよくある。
君は転職したほうが良い。
転職活動も終盤になると、様々なことを言われる。
どんな人間でも迷いは生じる。当然の話だ。
だが、その時に思い出すべきことは、最初の目的なんだよ。
そもそも、君が転職する目的は何だったんだ?」
「それは、自分で生きていく力を手にすることです。
組織に頼らずに食べていけるように。」
「そうでしょ?
その目的は、今の会社にいて達成できるか?
ここを考えるべきだ。
確かに、会社は良くなるだろう。
しかし、それと君のマーケットバリューが高くなるかは別の話だ!
今の会社にいても、マーケットバリューは高まらない。
目的から考えると、やはり君は転職すべきなんだ。」
「そうなのですが…でも、気持ちが…」
「人間や会社の根本など、なかなか変わらない。
何十年という会社の歴史はあまりに長く、改革はせいぜい数年だ。
それに、マーケットバリューと給料というのは、時間差で一致する。
君の会社の部長の問題のひとつは、マーケットバリューよりも給料を貰いすぎていたことなんだよ。」
「マーケットバリューよりも貰いすぎている?」
「そうだ!
転職の際に一番気になるのは、やはり、給料だろう。
だが、いいか。
迷ったら、未来のマーケットバリューをとれ!
転職を考えるとき、すでに給料が高い成熟企業と今の給料は低いけど、今後、自分のマーケットバリューが高まる会社とで悩むことがあるだろう。
だが、現在の給料に惹かれて成熟企業に入っても、マーケットバリューを高められなかった人間は、どこかで肩叩き、あるいは減給にあわざるをえない。
覚えておくんだ。
この国の悪いところは、その事実を40代後半まで本人に隠しておくことなんだよ!」
僕はこの言葉で、以前読んだ雑誌の内容を思い出した。
「都会から消えていく、元エリートサラリーマンたちの実例」※6-2 プロローグ記載
彼らもまた、マーケットバリューよりも給料を貰いすぎていたのだろうか?
黒岩は言った。
「大事なのは目的。これなんだ!
今すぐここで決めろとは言わん。今日はここまでだ。
冷静に考えて、答えが出たら、そのタイミングでもう一度来なさい!」
その日の夜、後輩たちの後押しもあり、僕の覚悟は決まった。
だが、その決意を黒岩より先に伝えなければならない相手がいた。
忙しい、それを言い訳にずっと、逃げてきた相手だ。
僕は、彼女と会う約束をした。
彼女に、どこから話せばよいのだろうか?
転職のこと、理解してくれるだろうか?
前回会ったのは、もう2ヶ月も前だった。
一通り彼女の話を聞いて、僕は言った。
「転職をしようと思っている。」
彼女の手が一瞬止まった。
「えっ…転職?それって、今の会社を辞めるってこと?」
「うん、前から少し行ってたと思うけど、やっぱり転職しようと思う。」
「……転職先は、どんな会社か決まっているの?」
「まだ決めてない。でも、将来成長が見込まれる産業のベンチャーになると思う。
どう思う?」
「どう思うって、大丈夫なの?
なんで、わざわざベンチャーに行くの?お給料とかどうなるの?」
「正直……一時的には下がるかもしれない。
でも、人生全体のことを考えると、これがベストで、生涯年収は上がると思うんだ。」
「でも、そんなのわかんないじゃん。
失敗したらどうするの?
大きな会社から転職して、後悔している先輩だってたくさん知ってるよ。
それに、今の会社を辞めるなんてもったいないよ。」
彼女は新卒で今の事務職に就いて以来、まだ転職をしたことがない。
母親は職場結婚を機に専業主婦になったこともあり、どちらかというと人生設計には保守的なタイプだった。
「でも、今の会社だって、いつまで安泰かわからないよ。」
「なにそれ。せっかくあれだけ頑張って就活して入ったのに。
今の会社を捨ててまで移る意味、全然わかんない。」
「いや、だから…」
「もういい!
結局、全然私のこと真剣に考えてくれてないんだ。よくわかった。」
「違うよ。これは2人にとってもベストな選択だと思うんだ。
給料より、マーケットバリューってのがあって…それで…」
「違う!!!!
青野君はいつもそうだよね。全部自分で決める。
それって、2ヶ月も黙っておいて気軽にはなすことじゃないよ!」
「だって、心配かけたくないと思って…」
このとき、僕は転職の難しさをイヤというほど、痛感した。
彼女は息を吸い込み、続けた。
「私ね、考えていたんだ。
この2ヶ月、会わない間ずっと。
やっぱり、私達、友達に戻ったほうがいい気がする。」
僕は胸が痛くなった。
その日、僕らは別れ話をすることになった。
後日…
転職の覚悟を決めた僕は、再び黒岩のオフィスを訪れていた。
黒岩が試すような目をこちらに向けている。
「ええ、決まりました…。やっぱり、会社は出ようと思います。
今の会社に自分が必要だ、という気持ちがありました。
でも、思い上がりだったと気づきました。
同時に、自分を求めてくれる他の会社もあるかもしれない。
それを、後輩に教えられました。」
「そうか。
確かに、転職の最後には『やはり自分がいないと仕事が回らないのでは』と不安になるものだ。
だが、絶対に回る!会社とはそういうものだ。」
その後、僕は彼女との喧嘩の経緯を話すと、黒岩は苦笑いした。
そして、一刀両断した。
「そもそも、論理的に考えられない人間と付き合ったこと自体が失敗だな。
本来、結婚と転職は全く別の論点だ。
君は、このままだとマーケットバリューが下がるから転職をしたい。
それは結婚しようが、しまいが関係ない。
全く違う二つの論点を一緒にして考える典型例だ。
だが、君にも落ち度はある!」
「僕の落ち度…?」
「そうだ、それは感情の共感をしなかったこと。
はじめて、転職を考えた時、君はどういう気持ちだったんだ?
不安だっただろ?
本人ですら心配だったのだから、他人が不安になるのは仕方ない。
周りの人たちは、君よりも、会社の事情や、転職先の魅力を知らない。
知らないことに不安を感じることは当然だ!」
「だから、説明は試みたのですが…」
「何事も、ロジックだけではうまくいかない。
大事なのは、相手が共感できる文脈で説明することだ。
パートナーが転職に反対を示したときに必要なのは
1.ロジック
2.共感
3.信頼
この3つだ。
ひとつはロジック。
なぜ転職すべきかを、できる限り説明すること。
例えば、大きな会社に勤める人が、小さな会社へ転職しようとしたとしよう。
給料は8割になる。彼には妻と子供がいる。
この条件だと、パートナーは反対するケースが多いだろう。
だから、できる限り説明するんだ。
短期的には、給料が下がっても、長期的に見ると、今の会社にいるほうが悪手だということを。
では、それでも納得しない場合はどうするか?
その時に必要なのが、共感だ。
先ほどの夫婦が、旦那は商社に勤めていて、妻は休職して子育てに専念していたとしよう。
旦那は平日は夜遅い。週末にしかまともに家事をしない。
子供の宿題も、普段の教育も、奥さんがしている。
そんなとき、たまたま休みを取った旦那が、偉そうに子供の教育方法に口を出したら、奥さんはなんていうか?
何も知らないくせに文句を言うな!
と、当然、怒るだろう。
なぜなら、この場合、奥さんは、誰よりも実態を知っていて、誰よりも子育てにコミットしているからな。」
「確かに、それは誰でも怒ると思います。」
「そうだろう?だとしたら、仕事も同じではないか?
誰よりも、会社のリアリティを知っていて、仕事にコミットしている人物、それは転職する本人だ。
なぜ、転職が必要で、なぜ、今の会社ではダメなのか。
本人が一番知っている。一番不安なのも、本人だ。
それでもなお、決断するだけの理由があったから転職するのだろう?
これは、さっきの子育てと全く同じ話ではないか?
つまり
『誰よりも実態を知っていて、誰よりもコミットしている人間は誰か』
が重要なんだよ。
そして、パートナーから共感を得るためには、必ずお互いが同じレベルで理解できる言葉や比喩を使って話すんだ!
ただでさえ戸惑っている相手を『マーケットバリュー』や『ライフサイクル』という単語で混乱させてはいけない。
これは、意思決定の本質だ!
意思決定とは、一番情報を持っていて、一番コミットしている人間がやるべきなんだ。
本人にしかわからない部分がある。
だったら最後は信じるしかない。
そう思わないか?
つまり、パートナーに説明する際に必要なステップは3つ。
1.ロジックを固めること
2.共感してもらうこと
3.最後は信じてもらうこと
パートナーの反対にあい、転職を断念するケースは大体2がかけている。」
もう少し、早く教えてほしかった…Ω\ζ°)チーン
僕はそう思った。
以上が、第3章のまとめです。
これは、家庭があって転職する方は、必見の内容ですよ!
青野と同じように、もっと早く知りたかった…( ノД`)
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これを読めば、次からは大丈夫です。
しっかりと共感をしてもらえるように、準備しましょう!!
次回は
第4章 仕事はいつから「楽しくないもの」になったのだろうか?
です。
ではまた(@^^)/~~~