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転職の思考法 6-3

どうも‼カニコロです(^▽^)

 

今回の書籍は

転職の思考法

です。

 

 第1章 仕事の「寿命」が尽きる前に、伸びる市場に身を晒せ 「一生食える」を確保する4つのステップ

こちらをまとめていきます。

※物語になっているので、一部、物語形式でまとめていきます。

 

お金の手続きが終わると、さっそくレッスンがスタートした。

 

ステップ1 自分の「マーケットバリュー」を測る

「さっそくだが、クイズから始めよう。

ある会社に、AさんとBさん、二人の40歳の社員がいる。

二人は同じ会社に勤めている。だが、Aさんは今の会社が潰れたら生きていけない。

一方で、Bさんは今の会社が潰れても生きていける。

同じ年月働いてきたのに、全く違う結果の2人。

それは2人がみてきたものが違うからだ。さあ、何だと思う。」

 

「う~~ん。例えば、お金でしょうか?貯蓄の仕方とか。」

 

「違う!結論は、上司を見て働くか、マーケットを見て働くかの違いだ!

青野君に必要なのは、まず、自分のマーケットバリューを理解することだ。

マーケットバリューとは市場価値のこと。

市場価値とは、その名の通り、今の会社での価値でなく、世の中から見た君の価値、君の値段だ。

 

もしこの世の中に、会社が潰れても生きていける大人と、生きていけない大人の2種類いるとしたら、両者を分けるのは何か。

それが『上司を見て生きるか、マーケットを見て生きるか』だ!」

 

黒岩は続けた。

「よし、質問を変えよう。君の給料はなぜ発生する?」

 

「なぜって、会社から言われたことを、ちゃんとやっているからでしょうか?」

「それが、上司を見て働く者の発想なんだよ。まったく違う!

 

給料は、君が『自分』という商品を会社に売り、会社がそれを買うから発生している。

あくまで売り込んでいるのは、君なんだ。

君はたまたま今の会社を選んだだけで、会社はたまたま君を買っている。

つまり、雇用とはひとつの『取引』なんだよ。

 

マーケットバリューを理解するには、まず自分を商品として考えることだ。

 

「給料は、会社に自分を売り込むから発生する…!?」

 

「50年は長い。

そんな長い年月、どこを見て働くかによって、ビジネスパーソンとしての価値はほとんど決まる。

マーケットバリューのある人間には、自由が与えられる。

好きな時に会社を辞めることができるし、好きなところで働くことができる。

だが、上司だけを見て生きてきた人間に自由はない。

一生、自分の上司の顔色を見て生きなければならない。

まず、君が知るべきなのは、自分のマーケットバリューを測る方法なんだ。」

 

「でも、どうやって測るのでしょうか?」

 

「結論からいうと、マーケットバリューは、①技術資産、②人的資産、③業界の生産性、この3つで決まる。

この、①技術資産②人的資産③業界の生産性の3つを結んだ箱が大きいほど、給与の期待値は高く、小さいほど給与は低い。

そして、理想的なキャリアは少なくとも2つ以上が高い。

 

① 技術資産

その名の通り、価値のある技術をどれくらい持っているか?ということ。

そして、技術資産は『専門性』と『経験』でできている。

例えば、君はこれまでどんな仕事をしてきた?

【青野の例】

・法人営業

・法人向けの新規開拓

・チームマネージャー

印刷機器の業界経験

 

このうち、上記2つが『専門性』になる。

専門性は職種に近い。例えば、営業やマーケティング、会計や税務、プログラミングやデザイン、こういうものを指す。

 

一方で『経験』というのは、職種に紐づかない技術だ。

もっと幅広い。例えば、事業部長の経験、子会社の経営、プロジェクトマネージャーの経験などだ。

他にも、営業開発、商品開発、人事制度の設計など、企画系の仕事も入る。

 

大事なのは、他の会社でも展開できるかどうか。

もし、他の会社では展開できないなら、それは技術資産ではない。

 

そして、年齢によって見につけるべき技術は違う。

20代は専門性、30代以降は経験をとる。

これが結論だ!

 

マーケットバリューはあくまで相対的に決まる。

高い技術を持っていても、周りが同じスキルを持っていたら価値は出ない。

逆に君だけが持っているスキルは一気に価値が出る。

だからこそ『レア度』にこだわれ!

 

そして『専門性』は誰でも学べば獲得可能であり、年をとるほど、差別化しづらくなる。

一方で『経験』は汎用化されにくい。

だから、20代は専門性で、30代以降は経験で勝負するべきなんだ!

 

②人的資産

君の周りに、やたらと顔が広くて人間関係だけで仕事を持ってくるような先輩がいないか?

それが『人的資産』を高めたケースだ!

人的資産は、いわゆる人脈だな。

 

どの業界にも、人脈だけで仕事を引っ張ってこれる人がいる。

その人だからこそ動いてくれる社内の人や、指名で仕事をくれる人間。

これが『人的資産』だ。

 

人的資産は正直、20代ではたいした価値にはならない。

だが、年を取り、40代以降になると、極めて重要になる。

 

というのも、ビジネスの世界を見ると、優秀な人ほど意外と、あの人が言うからやろうとか、あの人のためなら一肌脱いでもいいとか『貸し借り』で動いているからだ。

もちろん、それは自分にマーケットバリューがあることが前提だが。

つまり、キャリアとは20代は専門性、30代は経験、40代は人脈が重要なんだ。

 

『人的資産』は柿の木のようなもので、価値を生み出すのに時間がかかる。

だが、40代以降は極めて重要になる。

その果実を生かせるかどうかは、君の20代と30代次第だ。

 

③業界の生産性

その業界にいる人間が、平均一人当たり、どれほどの価値を生み出しているか。

よく使われる言葉でいうと、一人当たりの粗利に該当する。

そして、給与の期待値、つまり、マーケットバリューというのは『業界の生産性』に最も大きく影響を受ける。

 

この国の一人当たりのGDPは約400~500万円だが、これを産業別で見たとしよう。

金融業界、飲食業界…様々な業界があるが、産業別のGDPは最大で20倍近く違う。

この差は極めて大きい。

 

仮に一番低い産業の、一人当たりの粗利が1,000万円だとしたら、一番高い産業では、2億円。これだけ違う。

粗利はそのまま、給料の原資だ。

つまり、そもそもマーケットバリューというのは、どの業界を選ぶかで圧倒的に上下する。

 

言い換えれば、いくら技術資産や人的資産が高くても、そもそもの産業を間違ったら、マーケットバリューは絶対に高くならない。

 

伸びている産業で働くというのは、例えるなら、上りのエスカレーターに乗って、上を目指しているようなものだ。

 

特に自分が何もしなくても、売上が1.5倍になったりするわけだからな。

一方で、縮小している産業で働くのは悲惨だ。

何もしなければ、売上が0.8倍になる。

それを必死に防ぐために、下りのエスカレーターを速いスピードで逆向きに駆け上がらないといけないからな。

 

 

技術資産も人的資産もない人が会社を選ぶ際は

・生産性が既に高い産業

エスカレーターが上を向いている産業

実質、この2択だ。

 

反対に絶対にダメな選択肢は、生産性が低くて、かつ、成長が見込めない産業で働くことだ。

 

 

「でも、エスカレーターが上がっているか、下っているかなんて、どうやって確かめたらいいんですか?」

 

「あるフレームを使えば、予測ができる。」

そう言うと、黒岩はおもむろに立ち上がった。

 

ステップ2 今の仕事の「寿命」を知る

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これは『仕事のライフサイクル』というフレームワークだ。

①ニッチといわれる『イスの数は少ないが、替えが聞かない仕事』から始まり、順番に②③と移行し、最後は④『イスの数も少なく、誰でもできる仕事』として消滅していく。

イスの数というのは、雇用の数を指す。

 

そもそも、仕事が生まれるためには、誰かが最初にやり始めないといけない。

これが①『ニッチ』と呼ばれる状態。

 

しかし、やがてその仕事が儲かることがわかると、どんどん同じ仕事をする人は増えていく。

こうして、その仕事をする人の数が増えていくと②『スター』と呼ばれる状態になる。

 

 

こうやって、これまでは限られた人しかできなかったものが、一気に代替可能になり③『ルーティーンワーク』になる。

 

こうなると、今度は仕事は消える方向に進む。

③の人を大量に雇うということは『代替可能な人を大量に雇っている』状態だ。

いわずもがな、企業にとって人件費は大きいため、機械によって代替する方向に進む。

こうして④『消滅』フェーズに入るわけだ。

 

つまり、仕事が消滅するとは、そのファンクション(機能)がなくなるということではなく、人が担う部分がなくなる、ということなんだよ。

例えば、モノを運ぶ人はいなくなっても、モノを運ぶという機能は必要であり続けるということだ。

 

こうやって、自分の技術を一覧にし、ライフサイクルに当てはめていく。

そうすると、自分という商品の賞味期限が見えてくるはずだ。

これがエスカレーターの向き』を把握する方法だ。

 

ここまでで今日は終了となった。

 

青野は今日の話を聞いて、転職について真剣に考えるようになった。

 

後日

商談先に行くため、青野は最寄り駅に向かって歩いていた。

 

営業にとって一番つらいのは、自社のサービスに自信が持てないことだ。

自分がいいと思えないものを売りたい営業なんていない。

でも、売らなくてはいけない。

それが現実なのだ。

青野は、その葛藤に苦しんでいる。

 

そんななか、ふいに、現れた車から声を掛けられた。

黒岩だ。

するとすぐに「車に乗れ!」と言われた。

 

「これから商談ですよ。」

 

「だったら、すぐにキャンセルしろ。」

 

「重要なアポなので、できないですよ!

一件でも多く売上を上げないといけないですし…」

 

「でも君は会社を辞めるんだろ?関係ない話だ。」

さらに、僕の表情から、心の内を察したのだろうか。黒岩が

「自分が信じていないものを売る、これほど人の心を殺す行為はない。

その一つの商品を売るために、本当に多くの小さな嘘をつかないといけないからな。

そして人は、小さな嘘をつき始めると、やがて自分の心をその嘘に合わせるようになる。

そうやって、人間の心は死んでいく。

だから、そんな商品はむしろ売らないほうがいい。

 

「確かに、商品に自信が持てないことも、僕が会社を辞めたいと思った理由の一つかもしれません…」

 

「そうだろう?なんなら、電話してみろ、取引先に。

むしろ、余計なアポが無くなった!喜ぶに違いない。」

 

僕は、気づいたら電話をしていた。

リスケをお願いしたところ「承知しました」とだけ伝えられ、すぐに切られた。

 

これが現実だった。

つまり得意先にとって、不要な存在なのだ。

 

ステップ3 強みが死ぬ前に、伸びる市場にピボットする

人の根本的な特徴を教えよう。

従業員やサラリーマンは、乗っている船が危ないとなったら、むしろかたくなに動こうとしなくなる。

この会社にしがみつきたい!と考える。

だが、それは悪手中の悪手。事態を悪化させる方法だ。

そうならないための方法が、ピボット型キャリアだ。

 

ピボットとは、企業経営で使われる言葉で、方向転換や、路線を変えるという意味だ。

たとえば、Aという事業を立ち上げたものの、うまくいかなかったので、事業Bにピボットする。

こういう風に使う。

キャリアの文脈で言うと、自分の強みに軸足を残しながら、もう片足を今後強くなる部分に少しずつ、ずらしていくという考えだ。

 

たとえるなら、サーフィンのようなものだ。

次から次へと波がくる。

その波をとらえ、波が消えそうになる前に、次の波に移っていく。

これが一生食べていくための最強の方法論だ!」

 

伸びる波、伸びるマーケットを見つける方法は2つある。

①複数のベンチャーが参入し、各社が伸びているサービスに注目する方法

ベンチャーや投資の動向に注目する方法。

一言で言うと、世の中の流れに乗ること。

ベンチャーは、資本や人数で大企業に勝てないため、世の中の流れを味方にして勝つのが定石だ。

 

具体的な調べ方は

・『✖✖業界 ベンチャー』で検索して調べる方法

・転職サイトで検索をかける

など、いくつかある。

 

そして、出てきた企業を片っ端から調べていく。

創立年度が若い会社がたくさんあり、投資も集まっていれば、それは『伸びているマーケットに人と金が群がっている証拠』であることが多い。

 

②既存業界の非効率をつくロジックに着目する

これはやや難易度が高いが、そもそも、誰もがすでに良いと気づいているものには、じつは価値がない。

反対に、誰かに指摘されて初めて価値がわかるもの、そこにこそ価値がある。

 

伸びるサービスは、業界の非効率を必ずついてくる。

業界が30年以上続いていて、かつその業界の中に非効率があり、全く違うアプローチで攻めている事業を持つ会社。

そのロジックさえ正しければ、遅かれ早かれ成長する。

 

価値のあるものと価値のないものは、長い目でいると逆転することが多い。

若いころからバカにされてきたが、それでも価値のあることをやり続けた人間は、いづれ輝きだす。

一方で、若いころにすごいと呼ばれていた人ほど、いい会社に入り、最初こそ楽しそうにしているが、いずれ、会社の愚痴ばかり語るようになる。

こんなケースは本当に多い。

 

つまり、本当のダイヤモンドは、周りはバカにするが、理屈から考えると正しいことにこそ眠っているわけだ。

 

ステップ4 伸びる市場の中から、ベストな会社を見極める

『働きやすさ』は極めて重要だが、マーケットバリューと相反するものではない。

むしろ、長期的には一致することが多い。

マーケットバリューが高い人が集まる会社のほうが、長い目で見ると、働きやすい。

 

会社がうまくいっているときは、マーケットバリューなんてものは関係ない。

だが、うまくいかなくなった時、状況は逆転する。

マーケットバリューがない人間ほど、残忍に変わる。

自分の居場所を確保するために、他人を蹴落としてでも生き残ろうとする。

思い当たる節はないか?

 

つまり、会社を選ぶ際に重要なのは、マーケットバリューだけではない。

これは、正直、人によって異なる。

成長環境を求める人もいるし、安定だけを求める人間もいる。

だが、大多数の人は、この3つで考えるのがベストだ。

1.マーケットバリュー

2.働きやすさ

3.活躍の可能性

そして、現段階のマーケットバリューの低い人は、とくに『活躍の可能性』を見たほうがいい。

 

30代以降にとって、成長とは間違いなく自分の力でつかむものだ。

だからこそ、自分が活躍できるかどうかを厳しく見極める!

結局、成果を出している人におもしろい仕事はくる。

とくに30歳以降はね。

 

具体的にいえば、面接の場では次の3つを聞くのがいい。

1.どんな人物を求めていて、どんな活躍を期待しているのか?

2.今、一番社内で活躍し、評価されている人はどんな人物か?なぜ活躍しているのか?

3.自分と同じように中途で入った人物で、今活躍している人はどんな部署を経て、どんな業務を担当しているのか?

この3つを聞いたうえで、自分が社内で活躍できるイメージを持てたらOK。

反対に持てなければ、活躍できる可能性は低く、結果的に転職後に苦しむ可能性は高い。

覚悟が必要だ。

 

転職の軸が定まり、具体的な会社を選ぶ段階になったら、見ないといけない点がある。

・中途を重宝できるカルチャーがあるか

・自分の職種が会社の強みと一致しているかどうか

この2つだ。

 

・中途を重宝できるカルチャー

会社は普通、中途社員と新卒社員のバランスよくできている。

だが、明らかに『中途重視の会社』と『新卒重視の会社』がある。

そして、後者の場合、中途社員は、活躍できる範囲がかなり限定的になる。

 

転職しても、出世したければこれは見定めたほうがいい。

創業間もない会社は例外だが、創業10年以上であれば、中途上がりの役員の割合を確かめる。

それが、そのまま『出世しやすさ』だからだ。

 

・自分の職種が会社の強みと一致

これは、どれだけ裁量権を持ちたいかによる。

もし、裁量権を持ちたいのなら、その会社の強みと自分の配属部署が一致しているかどうか見たほうがいい。

 

会社には強みとなる『エンジン』がある。

一番パワーを持っている部署や組織はどこか。

営業、開発、マーケティング…新商品や事業はこのエンジンをもとに、つくられることが多い。

そして、このエンジンと自分の職種が一致しているほうが、裁量権は持ちやすい。

たとえば、営業が強い会社で、営業のトップだったら、何でもできる。

反対に開発部門が強い会社は、開発部門の裁量権が大きい。

 

これを見分ける方法は、その会社の商品やサービスに触れてみること。

もう一つが、経営陣や主要メンバーのバックグラウンドを見ることだ。

 

そして、最後に、求人を見ていくが、転職先を探す方法はいくつかある。

1.ヘッドハンティングを受ける

2.転職エージェントに登録し紹介を受ける

3.ダイレクトリクルーティング型のサービスを使う

4.SNSなどマッチングサービスを使う

5.直接応募、または友人から紹介してもらう

 

ここで私が言いたいのは、転職エージェントで紹介される案件だけで、転職先をしぼってはいけない。

なぜなら、そこには本当に魅力的な求人が載っていないことがあるからだ。

 

もしも、自分が働きたい会社が明確であれば、様々な手段で仕事を探せ!

SNSのサービスや直接応募、自分で求人を検索するという行為を絶対に忘れてはいけない。

 

そのうえで君に問いたい。

「君は何がしたいんだ?」

 

以上が、第1章のまとめです。

実際、第1章は100ページ以上ある内容です。

本書では、仕事をしながら転職活動を行っていく青野の、会社での出来事もリアルに描かれています。

転職に迷っている方だったら「わかる~」と思える内容だと思いますので、何卒、ご購読ください。

ちなみに、私も転職経験者です(^▽^)

 

次回は

第2章 「転職は悪」は、努力を放棄した者の言い訳に過ぎない

です。

 

ではまた(@^^)/~~~

 
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