カニコロ図書

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転職の思考法 6-2

どうも‼カニコロです(^▽^)

 

今回の書籍は

転職の思考法

です。

 

 プロローグ このままでいいわけがない。だけど……「漠然とした不安」の正体

こちらをまとめていきます。

※物語になっているので、物語形式でまとめていきます。

 

 

 「30歳前後がキャリアの分かれ道」

本屋で手に取った雑誌のコピーには、そう書かれていた。

パラパラとページをめくると、そこには「40代で昇進ポテンシャルがなくなった、大企業サラリーマンの悲惨な結末」が生々しく描かれていた。

【内容】

大企業でなんとなく20年働いてきた人が、業績不振により、早期退社を選ばざるをえなくなる…。

なんとか、生活水準を落としたくない。

そう思って必死に転職活動する彼ら。

しかし、うまくいかない。

 

それもそのはずで、よほど運が良くない限り、大企業でなんとなく20年働いていた人に「深い専門性」は身についていない。

それでいてプライドは高く、小さな会社で働くことを内心では見下していた。

 

当然、面接官がそれを見逃すわけはなく、彼らに高い値がつくわけもなかった。

つまり、転職は失敗した。

 

年収ダウンを覚悟して、小さな会社に飛び込む彼ら。

だが、小さな会社は、大企業ほど環境が整っていない。

肩書も通用しない。

結果、転職先でも思ったような活躍ができず、結局1年と持たずに環境のせいにして退職することになった。

 

次第に、前の会社の同期会にも顔を出しづらくなった彼らは、人知れず、都心から消えていった……。

 

 

 ゾクっ。僕は背筋が冷たくなる思いがした。

手にはじんわり、冷や汗を感じる。

 

今の自分はどうか?

30歳になったが、特別な専門性もない。

大きな組織を率いた経験もない。

ましてや、他者を圧倒するような才能もない。

加えて上をみれば、出世コースが先細りになっていることはあきらかだった。

業績が伸び悩んでいて、優秀な奴から先に辞めていく。

 

それを考えると、正直焦る。

だから、転職がリアルな選択肢になるのは当然だった。

 

一方で、心の中がモヤモヤするのは、相反する気持ちがあるからだった。

「せっかく、頑張って入った会社だし…」

そう思うのも当然だった。

 

それなりに苦労して入った今の会社。

簡単に手放せるわけでもない。

そんなモヤモヤがあった。

 

そんな時、突然誰かに声を掛けられた。

「青野さん!?」

振り返ると、目の前には女性がいた。

 

その女性は、赤神ありさ

良い思い出はない。

社会人2年目の終わりに転職を考えて、エージェントに登録し、騙されそうになったことがあった。

そのときの「キャリアアドバイザー」だ。

 

「あのときは、本当にすみませんでした。」

そう言うと、たたみかける様に、話をしてきた。

 

話を聞くと、彼女は今、著名なコンサルタントの下で、秘書の仕事をしているらしい。

黒岩 仁。企業再生で名をはせる人物だ。

 

また、騙されるんじゃないか?

何を話せばいいのか?

そんな気持ちが邪魔をした。

加えて「コンサルタント」というのは、無駄な時間を極端に嫌う人種と聞く。

悩みが明確じゃない状態で行っても「馬鹿だ」と思われるだけなような気がしたのだ。

 

赤神は続けた。

「絶対に損はさせません!少なくとも、会えばあなたの『市場価値』はわかるはずです。

青野さん、私、あの時の罪を償いたいんです。あなたのキャリアにとって必ず、プラスになるはずです。」

そう言うと彼女は頭を深く下げた。

 

「わ、わかりました。だから、顔を上げてください。」

結局、僕は黒岩のオフィスを訪れることになった。

 

「自分の市場価値」

そんなもの、いったい、どうやって測るのだろうか?

 

黒岩は、ガタイがよく、迫力のある目には威圧感すらある。

赤神は一通りの事情を黒岩に説明した。

すると「で、君は何を悩んでいるんだ?」

と、黒岩は間髪入れずに聞いてきた。

 

僕は、戸惑いながらも答えた。

「じつは、このまま今の会社に居続けていいんかな、と思うことがあり…」

「それは独立か?それとも転職か?どちらがあり得る。」

「転職です!」

「わかった。では、君に『転職の思考法』を授けよう。

転職に必要なのは、知識でも情報でもない、どう選べばいいかの判断基準、つまり『思考法』なんだよ。

この転職の思考法とは、私がこれまで数百社の企業に携わってきた中で見つけた『一生食べていくための方法論』だ。

20代から50代まで、仕事で食べていくうえで必要なキャリアの考え方がすべて詰まっている。費用は50万円だ。」

 

「ご、50万円!?お金取るんですか?」

「当然だ!私はプロだ。だが、もし君の転職が決まった後、私のコンサルティングに満足できなかったら、全額返す!」

 

「た、高すぎます…。ちょっと今は決められません。持ち帰ってもいいですか?」

「ダメだ!今すぐ決めるんだ!決断を後回しにする人間に、ロクな奴はいない。

それに、君にとって『一生食べていく仕事』は、50万円以上の価値があると思わないのか。」

「それは、思います。」

「もし、その方法が見つかれば君は満足できる、もし満足できなければお金は返ってくる。なのに、なぜ、決断できない?」

「頭では、わかっているんですが…。」

 

「いいか。一つ問いたい。

なぜ、初めての転職が多くの人にとって怖いと思う?」

「そりゃ、転職先がもし潰れたらどうしようとか、考えるからでしょうか。」

「違う!いいか、転職というのは多くの人にとって『初めての意思決定』だからだ。だから怖いんだ!」

「初めての意思決定?」

「そうだ、多くの人は普段、じつは何も意思決定しないで生きている。

君は自分で大学を選び、就職先も自分で選んできたと思っているかもしれない。

しかし、それは、ただ単に、これまでレールの上を歩いてきただけで、自分では何も決めていない。

電車に乗り、目的地に進んでいく。

大学であれば、世の中からいいといわれる大学を目指し、就職先も、世間的にいい会社を選んできただけ。

だがな、意味のある意思決定というのは、必ず、何かを捨てることを伴う!

これまでの人生で、そんな決断をしたことがあるか?」

 

「捨てることを伴う意思決定…」

「多くの人が、転職に恐怖を感じるのは、何かを手にするからではない。

人生で、初めて何かを手放すことになるからだ!しかも自分の意思で!」

僕は言葉を失った。

 

「これまで、受験や仕事に頑張ってきた人のほうが、その投資分が大きく見えてしまい、恐怖を感じる。

そして、それは転職した後も、しばらく付きまとう。

これでよかったのかな?あっちの道のほうがよかったんじゃないか?と、いうようにね。」

そう言うと、黒岩は僕に契約するかしないかの選択を迫った。 

 

正直、僕は自信がなかった。

自分を変えたい、それは強く思っていた。

だが、はたして何かを捨てる、そんなことができるのだろうか。

 

変化は誰にとっても本当は怖いものだ。

誰もが、変化に柔軟なわけではない。

だけど、このとき、僕の頭の中で蘇ったのは会社で働く人々の表情だった。

 

「目が死んでいる」

そう思ったのは事実だった。

 

金曜日だけを楽しみに生きている。

定年まで逃げ切ることしか考えていない。

言われた仕事以外は誰も責任を取りたがらない。

それでいいのだろうか?

 

会社のビジョンと今自分のやっていることには、どうしても乖離がある。

いつからか、理想を追いかけることをやめるため、自分に言い聞かせるようになった。

「転職しても何も変わらない。変わる確証なんてない。」

 

結果、本当に何もできない大人になっていくのだろう。

つまり、なにより、僕自身が一番恐れていたのは

「そんな大人に、いずれ自分もなる将来」なのだ。

 

脳内で、黒岩の言葉が繰り返された。

君は、それでどうするんだ?

 

気づいたら、僕はうなずいていた。

「やります!」

 

黒岩はうなずいた。

僕は答えた。

「…転職の思考法を、教えてください!よろしくお願いします!」

そういうと、自然と立ち上がっていた。

 

「この50万円は君の覚悟であり、投資だ。そう思ってくれ。」

黒岩は言った。

 

 

以上が、プロローグのまとめになります。

転職に迷っている『青野』が、本屋で偶然会った、コンサルタント『黒岩』の秘書『赤神』。

これから、青野は『転職の思考法』を学んでいきます。

 

次回は

第1章 仕事の「寿命」が尽きる前に、伸びる市場に身を晒せ

です。

 

ではまた(@^^)/~~~

 
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