どうも‼カニコロです(^▽^)
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酒好き医師が教える 最高の飲み方
第7章 絶対NG!危険な飲み方
こちらをまとめていきます。
寝酒の入眠効果は一時的で、うつのリスクも
不安やイライラを感じて眠れない。
あるいは気が高ぶってどうしても眠気がやってこない。
そんなときの「助っ人」として、酒を手に取ってしまうことはないでしょうか?
アルコールの力によって、徐々に瞼が重くなり、すーっと眠りにつくことができます。
しかし、朝までぐっすり眠れるかといえば、必ずしもそうではない。
数時間後に目が覚めてしまい、その後は目がさえて眠れない…ということもあります。
こうした経験は、酒飲みの方はもとより、一般の方でも少なからずあると思います。
では、実際はどうなのでしょうか?
睡眠は、性質の異なる浅い眠りである『レム睡眠』と、深い眠りである『ノンレム睡眠』の2つの構成されています。
睡眠の深さは、脳波の活動性によってステージを4つに分けていますが、特にアルコールを飲んでから寝ると、入眠までの時間が短縮され、ステージ3、ステージ4といった深い眠りの徐波睡眠が増加することがわかっています。
この睡眠が深くて長くなるほど、体の細胞を修復するために必要な成長ホルモンの分泌を増やします。
酒を飲んで眠ると、たしかに寝入りばながよく、また、深く眠れるような気がするのは、徐波睡眠のおかげであります。
なので「寝酒は睡眠の質を上げてくれる!」と、酒豪は都合の良いように解釈したくなりますが、そうは問屋が卸しません!
入眠後に訪れる徐波睡眠だけを見れば、寝酒は睡眠の質を高められそうに思えます。
ですが、アルコールによってもたらされる半跳性作用によって、深い眠り(ノンレム睡眠)から切り替わった後の浅い眠り(レム睡眠)が長く続くために、中途覚醒を招きやすくします。
つまり、アルコールは、睡眠全体を見ると質を低下させてしまうのです。
それは、アルコールを肝臓で分解する際に生じるアセトアルデヒドにあります。
この物質は、血液を通して脳内で増えることによって交感神経を優位にするために、睡眠時における正常な脳の休息を阻害します。
これが、中途覚醒の要因になります。
また、寝酒を習慣にしても、だんだんと寝つきが悪くなったり、中途覚醒が増えたりすると、お酒の力にさらに頼ろうとする人がいますが、これはかえって逆効果です。
アルコールに依存した誘眠作用は、3~7日もすると効きが悪くなってくるため、無意識に量を増やしてしまう原因にもなります。
睡眠の質をますます低下させるうえに、アルコール依存症といったリスクをあげる危険性があります。
例えば、最初のうちは350mℓのビール1本の寝酒で済んでいたところが、500mℓ、1ℓ…
と、だんだんと酒量が増えていたり、アルコール度数の高いお酒に頼り出したりしたら”要注意”というわけです。
そもそもアルコールは、脳内に存在する抑制性の神経伝達物質であるGABAが本来結合する『GABA受容体』と結びつくことで、リラックスや幸福感をもたらします。
同時に、興奮性神経伝達であるグルタミン酸系を抑制(特にNMDA受容体を抑制)することで、入眠が促進されて、深い睡眠に早くたどり着けます。
半面、GABA受容体は”依存”も高めるために酒量を増やすと考えています。
アルコールによる入眠作用が3~7日で効かなくなってくることが加わると、最初に350mℓで効いたものが、500mℓ必要になり、1ℓに…となります。
寝酒に頼らずになる習慣を取り戻すことが大切なのです。
アルコールに頼り続けて、睡眠の質が低下した状態が慢性化してくると、やがて「過覚醒」と呼ばれる、心身が一定の緊張状態を続ける生体防御反応を起こすようになるといいます。
身近な例でいうと、徹夜明けで心身は疲れて眠いのに、ベッドに入っても頭が冴えて眠れない状態です。
交感神経が活発に動く状態が続くことで、わずかなことでイラついたり、キレたり、ひどいときは『うつ状態』に至ることもあります。
寝酒による身体への影響は、想像以上に大きい。
医師の治療経験からいうと、一度、過覚醒の状態まで乱れてしまうと、アルコールを止めたとしても、正しい睡眠リズムに戻るために、長い場合は半年もかかると感じています。
寝酒をやめても、しつこくつきまとう睡眠障害のリスク。
家に酒を置かないことが、寝酒をやめる一番の近道ですが、酒豪がストレスなく、すぐに実践できる改善策はないものでしょうか?
眠るための手段ではなく、食事を楽しむため、リラックスするための飲酒は、適量を守りさえすれば、睡眠に悪影響を及ぼさないだろうと考えています。
万が一、飲みすぎてしまったら、血中アルコール濃度を下げるため、寝るまでに水を飲んで『ウォッシュアウト』を行うとよいです。
そうしたことを踏まえたうえで、まずは寝酒をやめ、眠るために必要な『睡眠衛生』を守れば睡眠の質は徐々に向上すると思われます。
※『睡眠衛生』チェックリスト
・入浴(またはシャワー)は就寝2時間前に済ませる
・湯船の温度は40℃前後のぬるめに設定する
・寝る1時間前にはスマホやパソコンを使用しない
・深夜にコンビニなどの明るい場所に行かない
・平日も休日も、朝はなるべく同じ時間に起床する
実際に、患者をカウンセリングする際も使用される「睡眠衛生」のチェック項目です。
寝酒を使って「よく眠れた」と思っても、翌日の仕事で効率が上がらなかったり、仕事中に睡魔が襲ってくるようであれば、それは睡眠の質が十分ではなかったということ。
それを自覚し、快適で上質な睡眠を得るためにも、酒は手段にせず、楽しむことに徹することが正解のようです!
「酒でクスリ」は絶対にダメ?
寒い季節になり、巷では風やインフルエンザが猛威をふるっても、酒を欠かさないのが酒好きです。
状況を逆手に「アルコール消毒だ!」と言い張り、いつにも増して、酒の量が増えているのではないでしょうか!?
しかし、いくら「アルコール消毒」をしても、しょせんウイルスには勝てっこない!
風邪にかかったら、風邪薬に頼らざるを得ない。
実際問題、酒でクスリを飲む行為は、どんな危険性をはらんでいるのでしょうか?
薬をアルコールで飲むことは、とんでもありません!
絶対にダメです!
『水で服用』が大原則です。
アルコールは、多くの薬の働きに影響を及ぼします。
その影響は薬によっても異なりますが、典型的な影響として、薬の副作用を増強してしまう危険性があります。
アルコールも薬も肝臓で代謝されます。
その際、使われるのがCYP2E1(チトクロームP450)などの代謝酵素です。
通常の人が、薬とアルコールを併用した場合、この酵素を双方で奪い合う形になるのです。
仮に代謝酵素によって、通常は50%で代謝される薬があったとします。
これが、アルコールによって、代謝酵素を半分奪われてしまう形になると25%しか代謝されなくなります。
すると、薬の成分の75%が血中に入ってしまうことになります。
当初、半分が代謝されるという前提で処方された薬の量なのに、実際には、より多くの量を飲んだのと同じことになってしまうわけです。
これによって薬理効果が増えます。つまり、効きすぎてしまうのです。
反対に、日常的にアルコールを常飲している方は、普段から酵素活性が高いため、薬を代謝しすぎてしまい、効きにくくなるといった弊害も出てきます。
薬理効果を促進させる薬の一例として、血栓症の治療に用いるワルファリンが挙げられます。
通常の人が、アルコールと併用するとき効きすぎてしまい、出血する恐れがあります。
脳など出血する場所によっては、命に関わる重篤な症状を引き起こす可能性があるのです。
一方、日常的にアルコールを常飲している方の場合は、先ほども触れたように、薬が効きにくくなります。
常飲者は、酵素活性が高すぎることにより、特に、飲酒しないときには薬を代謝しすぎてしまい、血中に入る成分が少なくなります。
これにより、体内で血栓が生成されやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まるのです。
また、糖尿病の治療に使われるメトホルミンなどは、過度のアルコール摂取が体内における乳酸の代謝を減少させます。(乳酸アシドーシス)
乳酸が過剰になると、中枢神経や消化器系に悪影響を及ぼすことがありますので、特に注意が必要です。
では、家庭の常備薬ともいえる痛み止めや風邪薬など、ドラッグストアで簡単に入手できる薬はどうなのだろうか。
もちろん、市販薬で注意が必要な薬もたくさんあります。
たとえば、痛み止めや風邪薬に含まれているアセトアミノフェンは、通常、グルクロンサン抱合、硫酸抱合、CYP2E1による3種の代謝経路を中心に体外に排出させます。
このうち、CYP2E1はアセトアミノフェンをN-アセチル-p-ベンゾキノンイミン(NAPQ1)には肝毒性がありますが、さらに、グルタチオン抱合を受けることで、最終的には、メルカプツール酸として体外に排泄されます。
しかし、アルコール常飲者ではCYP2E1の誘導により、NAPQ1の生成が進み、グルタチオン抱合が限界を超えると、NAPQ1が蓄積して肝障害を起こします。
また、アレルギー性鼻炎(花粉症)用の薬についてですが、かつてのアレルギー性鼻炎用の薬は、アルコールとの併用で眠気が増すといわれていました。
最近では、フェキソフェナジンなどのように、中枢神経抑制作用が少ない医薬品が開発されており、状況は変わりつつあるものの、中枢神経に対する作用によっては、薬剤によって程度の差があります。
個々の薬剤については、必ず、専門家に相談するようにしてください。
ここまで挙げた例は、数ある薬のごく一部ですが、薬によって影響はさまざまとはいえ、やはり、酒で薬を飲むのはやめたほうがいいということです。
ちなみに、胃粘膜の保護・修復を目的とする胃薬、肝臓の保護が目的のドリンク剤は、飲酒の前に飲んでも大丈夫です。
ただし、なかにはアルコールと併用できない医薬品もあるので、事前に専門家に確認してください。
風邪のときは、休肝日だと思って、酒を断ったほうがよさそうです。
そもそも、風邪の一番の薬は休養です!
働き者の肝臓をいたわりましょう<(_ _)>
酒飲みの口は臭い?気づかない”スメハラ”に注意
酒を飲んで帰った夜、家族から「口が臭い!」と嫌がられたり、深酒した翌朝、酒臭いことを女子社員から指摘された経験は、酒好きの方であれば誰しもあるのではないだろうか。
泥酔して歯磨きをしないまま寝てしまったり、酔っ払って歯磨きをおざなりになっているからか、大量飲酒が習慣化している酒好きに多くみられるのが、顔をそむけたくなるような「口臭」です。
酒を飲んで「アルコール臭く」なることは実際にありますが、それよりも大きな問題となるのが「生臭くすえた臭気を放つ強い口臭」です。
こうなると、周囲にいる人たちにとって「口害」以外の何ものでもない。
アルコールが口臭を悪化させる原因となるのでしょうか?
強い口臭の原因はアルコールに限ったことではない。
口臭の原因の多くは、歯周病が関与していると考えられています。
歯周病に罹患して、口臭がひどくなるのは、歯周病菌である嫌気性菌が口内で繁殖し、臭いの元となる硫化水素やメチルメルカプタンといった臭気ガスが発生するからです。
歯周病は、歯の周辺の組織に起こる疾患の総称を指します。
歯周病の原因は、口腔内の細菌とそれらが作り出したものが含まれる歯垢です。
歯垢は、歯と歯肉の間にある歯周ポケットに入りこんで炎症を起こし、やがて歯を支える歯槽骨を溶かしてしまう、いわば「細菌の温床」
放置しておけば、大切な歯を失うことになりかねない。
厚生労働省の調べによれば、55~74歳までの歯周病罹患率は、50%以上にもなるといいます。
アルコールがどのようにして歯周病を進行させるのか、その機序は明確になっていません。
ただし、ヒトを対象にした疫学研究において、アルコール摂取の多い人ほど、歯周病の罹患率が高いことが報告されます。
韓国において、40代を中心とした男性8,645人を対象にした調査によると、日常的にアルコール摂取する習慣のある人は、アルコールを飲まない人に比べ1.27倍、歯周病のリスクが高かった。
また、ブラジルにおける1,115人を対象にした調査では、1日に純アルコールにして9.6g(日本酒に換算して0.5合)以上、飲んでいる女性は、飲まない女性に比べて、歯周病リスクが3.8倍との報告もあります。
さらに、アルコールによって、抗利尿ホルモンが抑制され、尿が頻繁に排泄されることで、脱水のような症状が起こると、その影響で唾液が減少します。
これが、口腔内の環境を悪化させ、細菌が繁殖しやすくなることにつながります。
そして、ここに喫煙が加わると、さらに追い打ちをかけることになります!
喫煙者が歯周病にかかるリスクは、たばこを吸わない人と比べて、最大8倍にもなるとの報告もあります。
喫煙により、歯茎の血流が悪くなり、さらにヤニに歯垢がつきやすくなるために、バイオフィルムと呼ばれる強固な歯周病菌ができるためです。
最近では、スメハラという言葉もあるように、歯周病による口臭が原因で人間関係に支障が出ることも十分あり得ます。
何か予防策はないのだろうか?
歯周病の予防には、歯磨きにまさるものはありません。
歯磨きに最適な時間帯というものはないので、朝、お昼、夜などに時間をかけてしっかりと歯磨きすることが重要です。
より、積極的に予防しようということだったら、お酒を飲む前にフッ素入りの歯磨き剤を使って、歯磨きをすることです。
さらに、フッ素の効果を倍増させるために、歯磨き後のすすぎを2回までにとどめることです。
清涼感の強い歯磨き粉の場合、2回のすすぎだと頼りないかもしれませんが、習慣化すれば慣れていきます。
ただし、ただ歯を磨けばいいというものではないです。
推奨するのは、普段使っている歯ブラシでもできる方法で「つまようじ法」
この方法によってブラッシングすることで、歯周病は予防できるということです。
歯周病は歯と歯の間から起こります。
つまようじ法は、歯間の歯茎をマッサージすると同時に、歯周病で脆くなった歯と歯茎の密接部分である歯肉溝上皮を再生させるブラッシング方法です。
上の歯はブラシの毛先を下に、下の歯は毛先を上に向け、歯と歯茎の境目にあてるよう、一ヶ所10回、上下にブラッシングします。
裏側は歯ブラシの先端を使い、歯間をつつくように、一ヶ所約10回出し入れを繰り返します。
力加減は、消しゴムで文字を消す程度。
全体で約7~8分かかりますが、テレビを見ながらブラッシングしていると、あっという間に終わります。
口臭は自分でも気づきにくく、身近な人間でも注意しにくいため、治療が遅れてしまうことが多々あります。
話し始めた途端「くさっ!」と鼻に手を当てられぬよう、こうしたケアに加え、適量を守ることを、くれぐれも忘れないようにしてください<(_ _)>
以上が第7章のまとめとなります。
項目ごとに分けていますが、全部の項目を記載しているわけではないので、他の項目も読みたい方は、ぜひ、ご購入ください<(_ _)>
この書籍を読んでの結論ですが
・お酒は飲みすぎると健康を害する。
・ただ、適量であれば、健康に良い。
ということが、専門家の見解をもとに、わかりやすく作成されている書籍だと感じました。
私もお酒は好きなので、勉強になりました。
ありがとうございます<(_ _)>
では、また(@^^)/~~~